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キャッシュフロー経営について考えてみましょう

query_builder 2022/05/01
ブログ
川﨑佳奈子税理士事務所

 ご存じですか?

黒字なのに、倒産することがあります。

 

 2020年商工リサーチ46.8% です。

 

黒字、もうかっているのになぜ倒産してしまうのでしょうか?

 

 資金繰りが悪くなる、手元資金がなくなるからです。

 どうして資金繰りが悪くなるのでしょうか?

 例えば、株式会社A

 支払手形を発行しています

ある日取引先株式会社Bが倒産し受取手形を回収できなくなりました。

そのため、借入金返済後の資金がなくなりました。その後、支払手形の支払い期日までに資金調達できずに、手形が不渡りになりました。

これが、

「勘定あって銭足らず」の状態です。

 

資金不足にならないために、キャッシュフロー(資金)を意識して経営することが大切になります。

 現金商売であれば、入金=売上 支出=仕入、経費

 儲かっていれば、利益=現金

 分かりやすいですね

 

しかし現実は

  会計は発生主義  

   売上は、現金ではなく売掛金、受取手形という売上債権

       数か月後に現金、預金で回収

   仕入も 現金ではなく買掛金、支払手形という仕入債務

       数か月後に現金、預金で支払

    

   経費は、請求書やカード決済

       翌月預金で支払い、引落

     実際に預金に入金、支出になるまでに時間がかかります。

    そして、取引条件により同じ時に入金、支払になりません。

 これ利益とお金のちがいなのです

  経営者の中には、数字が得意でない方もいらっしゃいますので、

  

  預金がないから、赤字といわれますが、

  会計では、利益でていることもあります。

 そこで

  利益とキャッシュフロー(お金の流れ)の違いを理解することが

  必要になります。

  京セラの稲盛和夫さんの

  稲盛会計学では 「もうかったお金はどこにあるのか」常に考え、

  手元のキャッシュを

  ふやすような経営をしていかなければなりません。

   手元にキャッシュがなければ、新しいチャレンジができない、

   といわれています。

 

   キャッシュフローを理解する目的は「お金の残し方」を学ぶこと

儲けた利益がどこにきえたか。利益とお金の違いをしることです。

そして、お金を利益に近づけることを検討することです

 

  キャッシュフロー計算書には

 

  ①営業活動によるキャッシュフロー

   

    当期純損益               10

     減価償却費           100

     

        例:3月決算

      4月に車両を600万円銀行から6年で借入し購入

       毎年減価償却として100万円計上

       経費計上時は預金の支払いがありません。

     受取手形、売掛金の増減   △100

      

     例 4月 売掛金 500万円 3月 600万円 100万円       

     回収できない 来期に預金に振り込まれる

 

     支払手形、買掛金の増減    50

     

     例:4月 買掛金 300万円 3月 350万円 

     50万円支払いが伸びた 来期の支払いになる

   

     営業活動により調達した純キャッシュ  60

 ②投資活動によるキャッシュフロー

   車両の購入          △600

  

   投資活動により調達した純キャッシュ  △600

   フリーキャッシュフロー(純現金収支) ①-②=△540 ③

    当期純利益に近づける

    現金の出入りでみた純粋な儲けです。勘定あって銭足らずになっていませんか

 

 ③財務活動費よるキャシュフロー

   長期借入金の増加    600

   長期借入金の返済   △100

    財務活動により調達した純キャッシュ 500 ④

    今期の現預金の増減額  △40  ③+④

 

  当期純利益 10万円では、キャッシュが増えませんでした。

  

①営業活動によるキャッシュフロー

 売上債権の回収を早めに、意識する

 仕入債務の支払を少しでも遅くする

 経費支払いはカードを利用する(支払いサイトが長くなる可能性がある)

②投資活動によるキャッシュフロー

 

③財務活動費よるキャシュフロー

 

 今期は、銀行借入で車両を購入しました。

 借入金返済は、当期純損益+減価償却費で返済できるようにしましょう。

キャッシュフロー計算書の初め

 当期純損益を大きくする 

  売上-売上原価―経費=利益

 

 売上、売上原価は外部にあり、自分たちの意思だけでは調整できません。

 経費は自分たちが決定できるので、節約したり、新品ではなく中古とかで 少なくする努力により

 利益が多くなります。

 

キャッシュフロー経営はキャッシュに着目した経営です。

 

通常、キャッシュフロー計算者は年1回作成することが多いと思いますが、

毎月作成することをお勧めします。

 

実際には、資金繰り表を作成されているのではないですか。

 月次で現預金残高に収入、支払を記入して、資金がショートしないように

 必要な利益が早期に分かりますので

  

  利益計画、利益を上げるためには運転資金が必要になりますが、

  資金繰り表を作成することで、金融機関に早めの借入相談をすることができます。

 

キャッシュフロー経営の効果

 ・対外的な信用力が高まる

  管理経営が行き届いている会社として、金融機関の信用力高まります。

 ・経営の自由度が高まる

   キャッシュを意識した経営を続けると、社内留保が多くなり預貯金が多くなります。

   新規事業を行うなど自己資金で経営ができるようになります。

 ・本業に集中できる

   社内留保が多くなると預貯金が多くなるので、資金の心配がなくなり

   本業に集中することができる。

   高収益事業のためにどうすればよいかなど、未来の事業をどうするか中期事業計画を作成することが

   できるでしょう。

 ・経営の目的は、利益を計上し資金を増やすことなので

  デメリットはないでしょう。

キャッシュフロー経営の方法

 ・現状を把握する

 ・未来のキャッシュフローを計画する、事業の未来像、社員の未来像、組織の未来像を計画することが

  必要です。

 ・キャッシュにより軌道修正(金融機関の借入、返済)できるようにすることも必要です。

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