キャッシュフロー経営について考えてみましょう
ご存じですか?
黒字なのに、倒産することがあります。
2020年商工リサーチ46.8% です。
黒字、もうかっているのになぜ倒産してしまうのでしょうか?
どうして資金繰りが悪くなるのでしょうか?
例えば、株式会社A
支払手形を発行しています
ある日取引先株式会社Bが倒産し受取手形を回収できなくなりました。
そのため、借入金返済後の資金がなくなりました。その後、支払手形の支払い期日までに資金調達できずに、手形が不渡りになりました。
これが、
「勘定あって銭足らず」の状態です。
資金不足にならないために、キャッシュフロー(資金)を意識して経営することが大切になります。
現金商売であれば、入金=売上 支出=仕入、経費
儲かっていれば、利益=現金
分かりやすいですね
しかし現実は
会計は発生主義
売上は、現金ではなく売掛金、受取手形という売上債権
数か月後に現金、預金で回収
仕入も 現金ではなく買掛金、支払手形という仕入債務
数か月後に現金、預金で支払
経費は、請求書やカード決済
翌月預金で支払い、引落
実際に預金に入金、支出になるまでに時間がかかります。
そして、取引条件により同じ時に入金、支払になりません。
これ利益とお金のちがいなのです。
経営者の中には、数字が得意でない方もいらっしゃいますので、
預金がないから、赤字といわれますが、
会計では、利益でていることもあります。
そこで
利益とキャッシュフロー(お金の流れ)の違いを理解することが
必要になります。
京セラの稲盛和夫さんの
稲盛会計学では 「もうかったお金はどこにあるのか」常に考え、
手元のキャッシュを
ふやすような経営をしていかなければなりません。
手元にキャッシュがなければ、新しいチャレンジができない、
といわれています。
キャッシュフローを理解する目的は「お金の残し方」を学ぶこと
儲けた利益がどこにきえたか。利益とお金の違いをしることです。
そして、お金を利益に近づけることを検討することです。
キャッシュフロー計算書には
①営業活動によるキャッシュフロー
当期純損益 10
減価償却費 100
例:3月決算
4月に車両を600万円銀行から6年で借入し購入
毎年減価償却として100万円計上
経費計上時は預金の支払いがありません。
受取手形、売掛金の増減 △100
例 4月 売掛金 500万円 3月 600万円 100万円
回収できない 来期に預金に振り込まれる
支払手形、買掛金の増減 50
例:4月 買掛金 300万円 3月 350万円
50万円支払いが伸びた 来期の支払いになる
営業活動により調達した純キャッシュ 60
②投資活動によるキャッシュフロー
車両の購入 △600
投資活動により調達した純キャッシュ △600
フリーキャッシュフロー(純現金収支) ①-②=△540 ③
当期純利益に近づける
現金の出入りでみた純粋な儲けです。勘定あって銭足らずになっていませんか
③財務活動費よるキャシュフロー
長期借入金の増加 600
長期借入金の返済 △100
財務活動により調達した純キャッシュ 500 ④
今期の現預金の増減額 △40 ③+④
当期純利益 10万円では、キャッシュが増えませんでした。
①営業活動によるキャッシュフロー
売上債権の回収を早めに、意識する
仕入債務の支払を少しでも遅くする
経費支払いはカードを利用する(支払いサイトが長くなる可能性がある)
②投資活動によるキャッシュフロー
③財務活動費よるキャシュフロー
今期は、銀行借入で車両を購入しました。
借入金返済は、当期純損益+減価償却費で返済できるようにしましょう。
キャッシュフロー計算書の初め
当期純損益を大きくする
売上-売上原価―経費=利益
売上、売上原価は外部にあり、自分たちの意思だけでは調整できません。
経費は自分たちが決定できるので、節約したり、新品ではなく中古とかで 少なくする努力により
利益が多くなります。
キャッシュフロー経営はキャッシュに着目した経営です。
通常、キャッシュフロー計算者は年1回作成することが多いと思いますが、
毎月作成することをお勧めします。
実際には、資金繰り表を作成されているのではないですか。
月次で現預金残高に収入、支払を記入して、資金がショートしないように
必要な利益が早期に分かりますので
利益計画、利益を上げるためには運転資金が必要になりますが、
資金繰り表を作成することで、金融機関に早めの借入相談をすることができます。
キャッシュフロー経営の効果
・対外的な信用力が高まる
管理経営が行き届いている会社として、金融機関の信用力高まります。
・経営の自由度が高まる
キャッシュを意識した経営を続けると、社内留保が多くなり預貯金が多くなります。
新規事業を行うなど自己資金で経営ができるようになります。
・本業に集中できる
社内留保が多くなると預貯金が多くなるので、資金の心配がなくなり
本業に集中することができる。
高収益事業のためにどうすればよいかなど、未来の事業をどうするか中期事業計画を作成することが
できるでしょう。
・経営の目的は、利益を計上し資金を増やすことなので
デメリットはないでしょう。
キャッシュフロー経営の方法
・現状を把握する
・未来のキャッシュフローを計画する、事業の未来像、社員の未来像、組織の未来像を計画することが
必要です。
・キャッシュにより軌道修正(金融機関の借入、返済)できるようにすることも必要です。